What's wrong super sweet?

独断と偏見しかない少女マンガレビューっぽいやつ

朱神宝「コーヒー&バニラ」

コーヒー&バニラというより、お砂糖のかたまり。 

 

深見さんはさして深くない。

容姿端麗、頭脳明晰、優しくて紳士。

…と、リサは信じているけれど深見さんは大人げない。

優しいのはリサにだけ。

スマートにリサを助けたけれど、「チャンスがあれば」とリサ目当てにカフェ通い。

リサの同級生の吉木に大人げなく嫉妬し、

リサを自分のことしか考えられなくすることが得意。

インターンでは自分の目の届くところにリサを置いて安心したいし、

自分が遠くにいる時は吉木に見張らせて、でもリサを最後に守るのは自分。

とにかくエロい。うまい。溺愛。

 

深見さんは全然大人じゃないし、かっこよくもない。

自分の欲しいものは必ず手に入れる、欲望も野心も人一倍。

リサを失うのをすごく怖がっている、子供のような人だ。

リサがいなくなった時、自分も終わると思ってる。

 

リサはそんな深見さんがたまらなく愛しくて、かわいくて、誰にもとられたくなくて。

 

大人のシンデレラストーリーに見えるけど 

とっても単純で、だけど誰よりもお互いを想いあってる

ピュアな子どものような大人と、母のような女の子。

 

「リサは、癒し」

 

「コーヒー&バニラ」は、「ハイスペック男子との恋を夢見る女の子」だけの

マンガではない。

「ただ愛されることを望む、頑張る大人女子」の癒しマンガである。

 

「リサは、癒し」とうっとりとした目で惜しげもなくフェロモンをふりまきながら

つぶやく深見さん。

「深見さん、リサにもっとハマって世界の頑張っている大人女子を癒して」。

 

深見さんのリサへの天井知らずの溺愛が、明日の日本を救う。

 

女の子の想いは「想いあう」だけでなんとでもなるんだ。

「ただ愛される」ことを望んでいるだけなんだ。

 

 


コーヒー&バニラ(既刊8巻、以下続刊)

小学館 朱神宝